12月31日

ということで、さっそく去年の話をしましょう。コミケ雑感・レポ。長いけど、畳まねぇ(やっぱり畳む)。

出陣前日、12月30日。hana to yume福岡チーム上京。夜集合し、決起集会を開く、という名目で忘年会。参加者は、おういしさん(よくわかりません)、華子さん(バブー・ザ・ベイビー)、ゆのじさん(あんプリン)、川添さん(幻想挿絵)、木魚ちゃん(無所属)、すずき(btbファン代表)、俺、の計7人。初対面の組み合わせも多かったものの、妙に盛り上がる。あと、この日初めてパクチーというものを食したのだけど、全然大丈夫だった。「食わず嫌い」などでキラーアイテムとしてクサいクサいと言われているから、どんだけクサいのかと思ったら、単に草っぽいクサ味なだけじゃあないか。もっと異様なスメルなのだとばかり。アレが嫌いな人は要するに春菊嫌いな人なのだな。でもトムヤムクンの複雑な味わいはノーサンキューでした。24時頃帰宅。「みなみけ」最終回を観ようと思うも早起きせんならんので録画予約して就寝(さっき観た。ほさか!)。

31日。大晦日。朝6時の電車に乗り込み戦場へ。乗り馴れない経路だったが「明らかにソレとわかる乗客」のおかげで迷わず目的地へたどり着く。この状況は格闘技祭り時やハロコン時の、さいたま行きの電車と一緒だ。改札出るなり(というか、出る前から)わかっちゃいたけどスゲー人人人人人人人人人人人人。喫煙所付近でメンバーを待っていると、180cmをゆうに越える大柄の風子が(あの三角帽)。見えませんでしたけど! 7:30頃にはメンバーと合流。いざ会場へ。

……しかし。行列は壮観。あんだけ広い敷地にビッシリ、しかも視認できているのは半分だけで、別の区画にさらにいるという。という情報を逐一レクチャーしてくれたのは、コミケ常連のゆのじさん。完全に舞い上がっている俺に極めてクールなトーンで様々な情報・しきたり・タブーなどを教えてくれた。最近は二次裏で(笑)毎日のように予習していたのだが、実際に現場の空気を吸うとまた違った見え方が出てきて興味深い。そして、これが噂の! サークルチケットを手渡され、会場へ。

所定の場所へ到着。テーブルの上に、パイプ椅子、夥しい数のチラシ(印刷会社の広告、別イベントの開催おしらせなど)が置いてある。そして足元には、当日着の「フワフワ・アチチ・ケーキ・大爆発」が! 華子さんのテンションが上がる。ついでに俺も上がる。や、印刷物の完成形を見るのはいつだって誰のだって、楽しい。良い仕上がり。初めてその内容が明らかになったのだが、とんだ不条理マンガ!「この読後感には覚えがある、と思ったら、初めて『ガロ』を読んだ時のそれだ」とはゆのじさんの弁。あー。それ(帰宅後あらためてじっくり読んだんだけど、傑作だよコレ! 不条理であれど出鱈目でなし。緩急(こえぇ - かわいい)のバランスはまさに「バブー・ザ・ベイビー」そのもの。持ってくとこに持ってけば、大きな波紋を呼ぶと思う)。

読書もそこそこに、幻想挿絵、hana toyume両ブースの設置に取りかかる。福岡組が用意してきたポスターやパウチ加工された美しい幻想挿絵イラストを壁に貼る。そう、壁際だったんス。目の前の通路は妙に広く空いているし、背後にも結構なゆとりスペース。新人のくせにすんませーん、というラグジュアリーな。なめられたらあかん、と組み上げたブースの様子は前回アップした写真の通り。福岡組の徹夜作業のたまもの、スゲー豪奢なブースに!ある程度整ったところで近くのブースを見学。西1地区は、アニメ関係の同人本などはあまりなく、自作プログラムのゲームや特殊なグッズ、コスプレDVDなど、若干風変わりなものが多く、また、同人誌でもちょっと変わった趣旨の、株式、OS研究、スイーツ((笑)ではない)、と学、おいしいお取り寄せ餃子マニュアル(笑)などなど、コミケバーリトゥード感に圧巻される凄い空間。萌えの入ったオタク文化だけがコミケの実体ではない、というのが近所のブースを見ただけでもよく分かった。これは面白いイベントだ。とますますテンションが上がる。と、突然スピーカーから聞き覚えのあるギターフレーズが。来た。これが噂の「著作権使用にギリ引っかからないレベルの長さ」でO.A.される陽水「夢の中へ」か! 10:00。開幕の合図と同時に四方から聴こえてくる拍手の渦。真横のシャッターが開いて、コミケ73・3日目がスタート。

開始5分でひとりの男性客が。「フワフワ」と「雪国」を1冊ずつ。おお! いきなりやってきたってことは、事前に何かおしらせを見てたんですか、と訊くと「ブログ読んでます」と。華子さんが「え、両方とも読んでるんですか!?」と訊いたら「や、バブー・ザ・ベイビーのほう(だけ)を」。相方ばかりがモテるブサイク芸人の気持ちがわかりました(笑)。にしても、あの時間に中に居たってことは、始発あるいはもっと前(?)に居たってことでしょ? 別ブースの出展者かもだけど。そこまでコアなbtbマニア! と華子さんではなく俺が大興奮。いやいや、ありがてぇこってすよな。心ゆくまでお読み下さい。お読み下さったかしら。実は開催前に友人らから「コミケ初参戦なら、1冊も売れないなんてザラだぜ」とさんざ言われていたので、まあそういう覚悟で居たんですけど、だからこの時点でもうだいぶ満足というか、歴史としてほんの1mmでも動きましたよというか、花粉の1粒でも飛び散りましたよというか(もうだいぶわからない)、これだけでも来た甲斐があった。ミッションクリア。

で、1冊売れたワーイと喜ぶ我々の横。幻想挿絵ブースでは……開始早々ひっきりなしに人が集まり、次々と用意されたCD-ROM集2点が飛ぶように売れていく。中にはすでに2枚とも持っているのに「新刊ないんですか……じゃあ、持ってるけど2枚とも下さい!」という豪快なファンが(しかも結構な人数)居て。おいおい、隣の人、大手じゃよ……。昨日っからフツーにタメ口で話してるけどこの人、大手じゃよ……。なぜ我々が壁に居るのか開始10分で理解しまんた。さらに左右となりのブースを見ても、ボンボンボンボン売れとる。商業誌作家にサンドウィッチされた、見た目は賑やかなおもしろ施設・hana to yume。予備知識のある人ならむしろこの状況に心を折られるところだろうが、そこはアホの子の集まり、hana to yume。逆にテンションが上がる。スゲーとか言って。

開始すぐ、戦地に赴いて行ったおういし・ゆのじ組は、戦利品を抱え正午頃に戻ってきた。入れ替わりで外の様子を探ってこよう……と思って東側に行ったら人がスゲー! ひれー! パネー! 無目的にウロウロしただけで何が何やらわからず、ものの30分ぐらいで場外へ脱出。西側もそうだけど、今回はとにかくどこを向いても初音ミク初音ミク初音ミク初音ミク初音ミク。本やグッズはもちろん、コスプレの人も、異常にクオリティの高い初音さんや、そうでもない(笑)初音さんまでさまざま。こなたも男女問わずいっぱい居た。パティ見てないな。「スケッチブック」の地味なフツーの制服を着た人が見たかったけど、見当たらなかったなー。クラナドみなみけあたりはもっとあると思ってたんだけど、案外少ない、ように見えた。探せばいっぱいあったんだろうけど。企業ブースやコスプレ広場などは、行ったら戻ってくるのに何時間かかるか知れないので諦めました。行っときゃよかった(こんな様)。

お昼には、おとくん、hinaさんも到着。遅れて木魚ちゃんも。さらに来場してくれた友人知人らとやいのやいの言ってると、あっちゅう間に終了時間。売り上げレースは4人ほぼ横一線のデッドヒートたったのだけれど、終了1時間前になって、おういしさんの「イラレでいじれる」イラスト集CD-ROM「えきしま」が続けざまに売れ、ハーラーダービートップに。4時。またしても噂の! 大拍手が巻き起こり、戦いは終了。さびしい。ぺりぺりとポスターを剥がし展示物を撤去しテーブル・パイプ椅子は別所に運ばれ、会場はあっちゅう間にもぬけのから。さびしい。

個人戦績を申し述べますと、都合10冊のお買い上げ。ありがてぇ! 後日確認したところ、HTCくんのほうでさらに6冊お買い上げ頂いたとのこと。計16! ありがてぇ! 「1冊でも売れたら……」という当初の予定からアレすれば16倍。あんな、よくわからないごほんをお買い上げの皆様には感謝の言葉が見つかりません。テンキュー!(見つかった)

そんな面白おかしい大晦日でした。皆様はどうかしら。今年もコミケおよびその他のイベントに参加するようなら、ふたつ返事で参戦やー。……と考えてはいるものの、別に書きたいことがあんまないんだよね(笑)。編集・装丁作業だけでも良いや。壁に関してはアレですね、ぼくらのような無名の人だと、手前の通路がムダに広いぶん、通りすがりの方に手に取ってもらう確率が低くなるので、むしろ島中のほうが見てもらえたのかも知れん(ポスター・のぼりを見てふらっと足を止めてくれる人は、何となくおしゃれメガネ系の、おしゃブカルタイプの人が多かった感じ。見た目は。hana to yumeはおしゃブカルサークルかー、とか言って観察するのも楽しかった)。購入して頂けなくても、パラパラやられるのは案外うれしいもんです。パラパラした時にイラストが少ない(というか、文字だらけ)というのは、コミケ的にはあまりよくないよなー、とか思った。取説みたいな見た目もよしあしだ。と、やっぱり今後のことを考えてしまう。よい「遊び」を見つけた。誘ってくれた福岡チームに多謝。