ついでに

吉川先生の処女作「カントドリップ」も読み返してみました。改めてねー、物凄く活き活きしている「喫茶 スプリングウッド」の描写に比べて、メインディッシュと思われる部分、夢の中の女の子との対話(笑)が、ひどく説明的で、頭でっかちな感じがするというか、文献が見える感じというか、台詞がスムースでない感じがするのだなー。DT感を醸すための作戦なのだとしたら天晴だが、多分違う。上に挙げた「名言」は、スプリングウッド店主・春樹マニアの店長の言葉。うっかりフツーの名言っぽくも聞こえる台詞だが、バカの発言であることを考えるとコク深い。この店長、および店員である時の主人公・長野君が頗る魅力的、なだけに……。でも、勢いで書いた処女作でこの起承転結の付け方は流石というべきかもねー、と取って付けたようなフォローも欠かさない友達思いの俺です*1。全国に100人ほど居る*2本書の所持者はどのような感想を持ったのだろうか。気になる。それでも(?)読みたい! というサブカルかわりんぼさんは、NO DISC RECORDS発行の"ベスト盤"で読むことができるのでぜひ。
NO DISC RECORDS(independent label)

*1:そもそも「知人の書くレンアイ小説を読む」という経験そのものがレアな事態なので、そうそう素直な気持ちでは読めねぇですよ、というのが実際。

*2:100冊限定発売。一応完売ですよ!