「乙嫁語り」を読んだ。

「うおーいこっちに描き込み魔がいるぞ〜」とコミックナタリーに言われたので、森薫さんの「乙嫁語り」を読んでみたらおどろいた。

乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)

乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)

森薫「乙嫁語り」 - コミックナタリー 特集・インタビュー
これまで森さんの作品は読んだことはなく、予備知識は上のインタビュー&映像のみ。最初に裏側のコアな部分を見てしまった格好ですけど、読み始めてみたら絵はむしろどうでも良い……というとすごく失礼な言い方ですけど、それよりもむしろ、圧倒的にきれいなセリフ回しに感動した。ぼくは中央アジアフォークロアみたいなものにはまったくと言っていいほど興味がなかったし、読み終えたあとも少し関心を持った程度なのだけれど、ことばのなめらかさにグイグイグイグイと持って行かれた。説明ゼリフのまったくない会話劇というか、それをマンガで読んだことはあまりなかった気がする。かといって詩的なものではなく、大衆的、ドラマ的に楽しめる。全く別ジャンルのものですけど、岩松了さんが脚本を書いた1997年のドラマ「恋のためらい」を観たときと近い感動のような気がします。ここをしゃべって、ここをしゃべらない。という、まあただの好みで、そこの塩梅がなんだか丁度良い、としか言いようがないですけど。
勢いで会社に置いてあった前作「エマ」を読み始めたら、こっちも全く同じ理由でおもしれー! だからなんで俺の周りのお前やお前はこういうマンガを奨めず、どうでも良いものばかり貸してくれるか(※その後、俺に「エマ」を奨めなかったあいつやあいつのうちのあいつから「奨めていたがお前が興味を持たなかっただけだバカ」とのご指摘を頂きました。訂正してお詫び致しますバカ)。
そもそもの読むきっかけとなったインタビュー&描き込み魔ドキュメント映像ですけど、これホント、興味ない人が読んで&観ても絶対面白いと思うので読む&観ると良いです。興味あるマンガ家の描き込み映像は全部観たい。