わたし女だけど


俺の右の人に似ていると言われる回数は尋常でないのであるが、どのぐらい尋常でないかというと、この年末年始だけで全く別方面の方から4度言われた、と言えばどのぐらいのものかがご理解頂けるかと思う。甚だしき場合は、例えば先週。職場の近くのスーパーで特売の即席饂飩を1つ握ってレジへ向かったところ、レジのおばはんが、あら! あらー。ん? あらー。てって。よく似た人もいるものよねー。てって。おばはんにひとつ忠告しておくならば、まかり間違っても本人の人はひとりで特売の即席饂飩を1つだけ購入することはないと思われるぞ。また、以前乗ったタクシーの運転手は、バックミラー越しに、あー。ねぇ? ですよねぇ。てって。何がですよですか、という旨を表情で現したところ、ねぇ。あの、ラジオの。歌の。でしょう? てって。「ラジオ」「歌」という要素だけアレして考えるならば、バグルスですかね? とも考えたが大体言わんとしていることは分かったので、ノン。と答える代わりに、何も聴こえない〜。何も聴こえない〜。何も聴こえない〜。と彼の有名なヒットソング、の一部を延々ループする格好で極力似せて歌うことで返答の言葉と代えさせて頂いたというのは嘘で、ぴしゃんとノンと答えたのだった。実際問題、これは俺が中学時代、彼が世間にデビューした辺りから言われ続けているのであり、こちらは馴れっこなのである。あるが、当時、面白おかしいことにのみ心血を注いでおった俺には、彼の、冗談の通じなさそうな空気っつうの? そんな雰囲気がヤで、言われるたびに対象を棒で殴るなどしていたのだけれど、最近の(モヤモヤ以降)の彼は、なんだか普通に話のわかるおっさんみたいな雰囲気になってきたので、当時程ヤだと思うこともなくなったが、もっとやわらかそうなのに似たかったというのが本心。それよりも、このことから、徳さんって思った以上に老若男女幅広い層に(顔含め)認知されてるのだなーということが分かり興味深い。