「えびす」変換、「ビス」消して「ヴァ」

といった、実にまどろっこしい……マルドゥックしい(言い直した!)行程を経てようやく「ヱヴァ」と書いている俺のやり方は間違っているのかしら。ここにもよく「ヴァンゲリヲン」「ヴァンゲリ」などの検索ワードで来られる方がいますが、検索のやり方としては、たぶんそれが正解、ですね。
ということで『ヱヴァ序』、観てきました。なにあのド迫力映画!
以下、感想とか色々。たぶん重要なネタバレはない、ハズ。
さっそくラミたんスターを襲来させたことでもお分かりのように、すっかり新ラミエルの魅力に取り憑かれて帰ってきました。感想をお書きのみなさんと同様に、やはり後半の「ド迫力」としか言いようのない展開には、ちょっとヘンな声出しそうなぐらいアテられました。それに尽きると言っちゃあアレですが、エヴァに「ド迫力」を求めている俺にはもうこれ以上のド迫力があろうかと。
冒頭は、変わってない部分(主にお話のライン、セリフなど)の、変わってないっぷりに、つい数ヶ月前にうっかりオリジナルを観返してしまったことを後悔したというか「俺はこの映画を楽しめるのか」と不安にもなりましたが、これは結果的には杞憂で。
特に「同じセリフ」の部分に関しては、この「たかだか10年ちょっとしか経ってないのに感じるクラシック感」はなんだ的な、古典的名作の上質な再演を観ているような感じ。歌舞いてんなぁ〜って感じのね。キッ、と正面を見据えて「僕が乗ります!」とか言われたらかけ声のひとつも上げたくなるってものです。中村屋! 的な。よっ、いかりや! と言うと長介さんが天国からひょっこり顔を出しそうなので止めましたけど。「絆だから」綾波屋!
と、オリジナル同様の部分はそうやって楽しいし、変更が加わった部分が出てくればそれはそれでキシャー! って良いお客さんだな俺。でもどちらかというと、全体的にひたすらキレイになった絵にポーッと見惚れている時間が長かった。もともと壮大な謎解きよりも「まごころ」のひたすらにでかい綾波にキシャー! といった、「ありえないものを目撃する快感」が俺にとってのエヴァのキモなので、今回の後半に至る流れはまさにコレコレコレ! っつう。もちろん映像・音響・ストーリィの全て含めての「ド迫力」ですけど。
その点、せせこましいところはとことんせせこましいエヴァ。せせこまし度もよりアップしてますよね。綾波の部屋で狼狽するシンジ君が、ものすごくしっかりブラ着ける様を凝視してたりとか(笑)。ダイジェストであるが故の「はしょり感」みたいなものは、オリジナルを観てない人がどう感じるかなーというのはありますね。さすがにもう、観ている人は大概「観すぎてる」ハズだから、その辺ホントにまっさらな人がどう感じたのか知りたい。グッとくるべきセリフが、一見さんには案外届いてないんじゃないかという心配も。そういえば、俺の観た回は、館内を見回してみたところ、年齢層が思いの外低くて。おっさんおばちゃんだらけだと思ってたんだけど、全然。はっきりと「ギャル」といえる種類の方がすごく多かった。平日の渋谷という土地柄も関係しているのかもだけど。平均年齢としては、どう見ても20代前半、という感じだったな。「当時シンジ君と同い年だった子」が多かったってことなのかな。
「エンドロールの後」問題については、多少ネタバレを読んでたのもあってもちろん観逃すことはしませんでしたけど、そもそも俺はどんな映画であれエンドロール観ずに帰ってしまう人の感覚がさっぱり理解できないタイプなのでこの心配はない。なんで帰る人は、帰れるんだ!? なんかすごく中途半端な感じがしません? 客電点くまでが映画だと感じている俺にはよくわからん感覚。
結局フタを開けてみれば、これまでの「エヴァ以降」と呼ばれたりした作品たちも、全然エヴァじゃなかった。っつう横綱級の「オリジナル」っぷりはもう噴くほどすごい。ここまで観衆を振り回す話もなかったのだなーとネット上の喧々諤々を眺めていても楽しい気持ちになります。もう3回振り回されるのかー。
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……と、だらだら書きましたけど、何はともあれラミたん。予告篇で観て「いいねぇラミたん」と思っている未見の人、あなたが考えている以上に「動く」ぞ!
あと誰が描いたのか知らないけどコレ最高!