歌いたい歌がある

ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル

やー、AMラジオを涙こぼしながら聴いたのは15年ぶりなのでした。若干遅れて聴き始めた今日の放送は、しまおまほさんのTBSラジオマニア講座だとか、サイトのほうでも確認できる各コーナーの充実ぶりだとか、想像以上にAM対応な宇多丸師匠の話しぶりがあまりに素晴らしく。「面白すぎる」ってだけでも十分泣きそうになっていた私だったのですが、番組後半、「それもきっとしあわせ/鈴木亜美」を取り上げてのアイドル論で完全決壊。以下、長くなったので折りますが、まーあの全然スルーして下さい。
例えばしょこたんのようにうまく自分の内面を(ある程度)ぶっちゃけることのできるアイドルというのが成立する時代になって。それはブログであったり、バラエティ番組のありようの変化だったり様々なことがいい感じで絡んでいるのでしょうけど、かつてのアイドルは、そうはいかなかった。80年代にもしブログがあったなら、バラエティ番組が今のようなかたちだったら、1986年に起きた悲しい出来事はなかったかもしれない。全く「たられば」の話だし、今だってアイドルが完全にぶっちゃけてよいわけではないし未成年の煙草だって(個人的には全っ然アレなんですけど一応)ダメ。
ただ、アイドル界の風通しはこんなに良くなったものの、色々あって窮地に立たされたアイドルを(入れ込み程度の差こそあれ)ファンが叩く風潮というのが出来上がってしまって、それってなんだかなー、というようなことを宇多丸さんはおっしゃってましたが、全くもって同意です。何か、心が侘しくなるの。あとこのブログ、図らずもしょこたん情報満載の流れになってますけど(笑)、実際今のしょこたんの、かなりむずかしいバランスで(本当に難易度の高いことをやっていると思います)本当に「楽しく」アイドルをやれている姿がまぶしくてうれしくて、何だか切ない気持ちになってついつい追ってしまうんですね。今後、ちょっと何かあった時、ちょっとしたきっかけでガンガン叩かれる彼女の姿ってのもミョーに想像つくんですね。が、何があっても気持ちよく応援してあげたい、という気持ちで私はいます。すげー余談。
鈴木亜美については、「あみ」時代の活動に私はあまり思い入れがなく、少し前のトラブルについても割と遠くから眺めていた。が、たまたま耳にした「それもきっとしあわせ」が物凄く沁みて、最近は夜な夜な毎日のようにこの曲を聴いていたんですね。キリンジファンだから、というのが実際は強いんだと思う。
宇多丸さんはこの曲を、困難にひとりで立ち向かった鈴木亜美が獲得したーーそれはそれで困難な道を、歩く「覚悟」を的確に表現した楽曲と、それを歌う彼女の立ち方に、「アイドル」という生き様と歴史を重ね合わせ、丁寧な解説をして下さった。ごめんなさい上手く文字に表すことが私にはできませんが、今の鈴木亜美が歌うこの歌詞の凄みが、この解説を聴いた直後にAM特有のモコモコした音で流れてきた時、ちょっと普通じゃない感情が押し寄せてきてウーッとなった。すんません、マジで何言ってるかちんぷん&かんぷんでしょうけど、あの、未聴の方はぜひ(公式で少し聴けますけど)フルコーラスで、できればひとりで聴いてほしい。

それもきっとしあわせ 歌詞
とよくわからないことを長々と書いてる間にも延々リピートしてたんスけど、もうなんだろなー。こんなに泣きたきゃトイレで泣けっつう話ですけど、公衆便所に入ったら写経のような長文がびっしり壁に書いてあった、そんな気持ちをみなさんに味わってもらいながらいい加減〆。以下、よりどうでも良いボーナストラック。15年前に泣いたAMは、加藤いづみのANN。電気のANNを聴くつもりが曜日を間違えて知らん女の人の番組を聴いてしまったという(笑)。その番組では、フォーク・ニューミュージックの名曲のカヴァーを弾き語りで披露するコーナーがあり、その日演奏されたのはガロの「美しすぎて」。知らん女の人の歌声に一発で惚れて泣いて、以来加藤いづみについて話すとちょっと長くなる男になったんですけども、加藤さん、今病気でツアー前半キャンセルという大変なことになっているらしいです。大丈夫かー。
マジすんません。思った以上にとっちらかった。つまるところ「それもきっとしあわせ」最高、「ウィークエンド・シャッフル」マジ必聴。というそんだけの話なのでしたー。とりあえずアレです。今日の放送で高性能ラジオチューナーの購入を決意するに至りました。中国製のラジカセではノイジーすぎてだめだ。追記:この曲の魅力について、的確なレビューを書いている方がいらっしゃいましたので一応。
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